民宿の開業及び融資の事業計画書サンプル

1. 事業概要

(1) 事業コンセプト
本計画は、栃木県那須エリアにおいて中古別荘物件を取得・改装し、国内外の観光客および学生サークルなどの団体利用を主対象とした民宿(ゲストハウス形態)を開業・運営するものである。那須は首都圏からのアクセスが良く、豊かな自然環境や温泉、観光名所が揃うことで知られ、年間を通じてリゾート需要が高い。また、近年はインバウンド需要の回復傾向も見込まれており、外国人観光客への訴求も可能である。本施設はリーズナブルかつアットホームな雰囲気の宿として、個人旅行者やグループ旅行者、学生の合宿利用など幅広い顧客層を取り込み、地域観光の拠点的存在を目指す。

(2) 経営ビジョン・理念・
・地域との共生:那須エリアの自然や文化、食を生かし、地域活性化に貢献する。
・顧客満足重視:家庭的な雰囲気、清潔感ある滞在空間、心温まるおもてなしを提供。
・持続可能な運営:無理のないローコスト運営と地産地消により、安定した収益基盤と持続的発展を図る。

2. 市場環境・競合分析

(1) 立地特性
那須は首都圏(東京方面)から東北自動車道やJR、バスで容易にアクセス可能。夏は避暑地、冬はスキー場や温泉が人気、四季を通じて観光需要が見込める。また、那須どうぶつ王国、那須ハイランドパーク、温泉施設など集客コンテンツが豊富。インバウンドにおいては、富士山・京都・東京といった主要観光ルートからは外れるが、近年の「地方体験」志向の高まりや、農業体験・自然体験型のプログラム提供により外国人観光客を誘引できる余地がある。

(2) ターゲット顧客
・個人旅行者(国内外):
首都圏在住者の短期旅行、リピーター増加が見込める。
学生団体(サークル・ゼミ合宿): スポーツ合宿、ゼミ合宿、サークル旅行など、価格重視・大人数での利用が期待できる。
インバウンド(外国人観光客): 新型コロナ後の回復期であり、自然豊かなリゾート体験に魅力を感じる層をターゲット。

(3) 競合分析
那須周辺には中規模ホテル、ペンション、旅館、ゲストハウスなど多様な宿泊施設が存在。競合優位性を確保するためのポイント:
・他施設との差別化: アットホームな雰囲気、リーズナブルな価格設定、施設内での共用スペース交流イベント、地元食材を活用した軽食やBBQプランなど。
・オンライン予約サイト(Booking.com、Airbnb、楽天トラベル、じゃらん等)でのPR強化。
・外国語対応・多言語パンフレット・Webサイト整備によるインバウンド顧客対応。

3. ビジネスモデル・サービス内容

(1) サービス形態
個室・ドミトリー(相部屋)を組み合わせた宿泊プランを提供
・朝食サービス(オプション)、BBQ機材貸出(有料)、共用キッチンやラウンジ提供
・Wi-Fi完備、洗濯機・乾燥機の利用可(有料)

(2) 料金設定(例)
個室(2~4名利用):1名あたり4,000~6,000円/泊(シーズンにより変動)
・ドミトリー(相部屋):1名あたり3,000~4,000円/泊
・団体貸切プラン(学生合宿など):1泊2食付で1名3,500~5,000円程度を想定

※料金は近隣ペンション、ゲストハウス、ホステル等の相場を鑑み、市場価格帯よりややリーズナブルに設定し、開業後徐々にブランド力が高まれば適宜見直す。

(3) 収益モデル
・主たる収益:宿泊料
・付帯収益:BBQ機材レンタル、飲料販売、近隣アクティビティツアー斡旋手数料

4. 開業計画・資金計画

(1) 物件取得・改装計画
・物件取得費
: 中古別荘物件取得に約1,200万円程度(想定)
リノベーション費用: 内装改修、客室設備、共用部整備、セキュリティ対策、家具・家電・寝具一式購入、計約700万円程度
諸経費・予備費: 約100万円合計:約2,000万円(内訳は取得費1,200万円、改装・備品700万円、その他100万円)
※取得価格は現行相場を参考とした想定値。実際には売買契約時に確定。

(2) 資金調達計画
・自己資金
:1,000万円
融資希望額:1,000万円(金融機関からの借入)
合計2,000万円にて事業開始。

(3) スケジュール
物件選定・契約:契約締結後1~2ヶ月
・改装工事・備品調達:契約締結後3~4ヶ月
・開業準備(Web集客体制構築、スタッフ研修):契約後4~5ヶ月
・開業:融資実行・契約後約6ヶ月後を目途

5. マーケティング戦略・販促計画

(1) 集客チャネル
オンライン予約サイト(Airbnb、Booking.com、楽天トラベル、じゃらん)への掲載
・自社Webサイト(多言語対応)
・SNS(Instagram、Facebook、TikTok)での情報発信、地域の魅力紹介
・学生団体向けに大学サークル、旅行代理店、合宿サイトへの告知

(2) プロモーション
開業初年度は割引キャンペーン、SNSフォロワー限定クーポン提供
・地元観光案内所、道の駅でのチラシ配布
・地域イベントやマルシェへの出店や協賛で認知度拡大
・インフルエンサー・ブロガー招待による口コミ発信

6. 運営体制・人材計画

(1) 運営体制
経営者自身が管理人として常駐、清掃や受付業務はパート・アルバイトを数名雇用予定
・繁忙期(GW、夏休み、年末年始)はアルバイトを増員し、オペレーション確保
・必要に応じて外国語対応スタッフ(英語)をパートタイムで確保

(2) 人件費・管理コスト抑制
繁閑に合わせた柔軟な人員配置
・オンラインチェックイン・セルフチェックイン体制を一部導入検討

7. 収支計画

(1) 売上予測(概算)
平均客室稼働率:初年度40~50%、3年目以降60%程度を目標
・平均客単価:3,500~5,000円/泊(宿泊形態により変動)
・年間想定客室稼働日数:365日(通年営業)、閑散期対策として価格調整

・初年度想定売上例:
・ベッド数仮定:個室・ドミ含め合計ベッド数20床程度。
→1日平均稼働8~10人(約40~50%稼働) × 平均客単価4,000円 = 32,000~40,000円/日
→年間売上:約1,168万円~1,460万円(365日ベース)
・3年目以降目標:稼働率60% × 20名 × 4,500円=54,000円/日 × 365日 ≒ 1,971万円

(2) 経費見込み
人件費:年間250~300万円(パート・アルバイト中心)
・光熱費:年間80~100万円
・清掃・備品費:年間50万円程度
・広告宣伝費:初年度100万円、次年度以降50万円程度
・その他固定費(固定資産税、保険、ネット利用料):年間50~100万円程度

(3) 損益分岐点
・年間経費合計を1,000万円弱として、損益分岐点売上は約1,000万円程度。
・初年度はやや厳しい可能性があるが、価格調整、閑散期プラン導入、口コミ定着により2~3年目で収支改善を目指す。

8. 融資返済計画

(1) 借入条件想定
借入金額:1,000万円金利:年利2~3%程度想定
・返済期間:7~10年程度(元利均等返済想定)

(2) 返済原資
・宿泊事業収益からの返済を基本とし、初期はオーナー自己資金にて運転資金に余裕を確保。
・事業が軌道に乗る2~3年目以降は十分な返済能力を確保。

9. リスク管理・対応策

(1) 閑散期対策
シーズンオフは割引プラン、ウィンタースポーツやワーケーション需要取り込み
・地域のワークショップ開催、コワーキングスペースとしての活用

(2) 感染症・災害リスク
衛生基準徹底、キャンセルポリシーの柔軟化
・保険加入、非常時の避難ルート確保、災害時備蓄

(3) 人材確保リスク
地元人材や学生アルバイトの確保、オンライン対応業務で効率化

10. 将来展望

(1) ブランド確立
数年後にはリピーター確保、口コミ評価向上により集客安定化
・地産地消メニュー開発、地元の手工芸品販売など地域密着型事業展開

(2) 拡張余地
成功時には近隣別荘の追加取得・拡張、法人化、他エリア展開を検討

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